サギ類の生活被害

サギ類による被害について

サギ類が住宅地の近隣でコロニーを形成すると、近隣住民から糞、鳴き声、臭い等による不快感の被害報告がよくあります。時にはコロニー付近に舞うサギ類の羽毛による健康被害懸念を危惧する声も挙がります。しかし、すでに抱卵または子育て中のサギ類の巣を落としたり追い払ったりすることは鳥獣保護法に抵触し、懲役1年以下もしくは100万円以下の罰金となります。

しかし、サギの糞や鳴き声、臭いが常識で許容される範囲を超えるケースも出てきます。その際は自分たちだけで対策するのではなく最寄りの行政に相談して下さい。何故なら自分たちだけで解決しようとするとどうしても鳥獣保護法に抵触する可能性があったり、無理な対策をしがちであるからです。
行政が対策のノウハウを持っている可能性はあまり期待できませんが、自分たちだけで対策するよりはまずは行政に動いてもらうことを考えたほうが賢明と思われます。そして行政から当会に相談があった場合は出来る範囲でアドバイスや協力をしてサギと人との共存を図っていきたいと思います。(参考のブログはこちら→「2016/9/10 緑区伝治山サギコロニー取材記事の補足」)


糞による被害:
糞そのものによる健康被害は報告されていません。サギ類が鳥インフルエンザに感染した事例は過去にありますが、糞から人間に感染した事例はサギ類に限らず日本では報告されていません。

臭いによる被害:
サギ類がコロニーで子育てをする時期は4月から7月後半または8月前半までです。その時期を過ぎればいずれサギはコロニーを離れるため臭いは無くなります。

鳴き声による被害:
窓を閉める等の対策くらいしかありません。サギが営巣する前の対策が何よりも必要です。すでに営巣を始めてしまったらそのシーズンは我慢していただくしか方法はありません。

根本的対策:
林を伐採したり、営巣前にサギを追い払うことだけでは根本的解決にはなりません。なぜならサギたちは必ず他の場所で集団営巣を始めるからです。伐採や追い払い行為は新たな場所で人とサギとの軋轢を生むだけです。
ではどうすればよいのか。一番大事なのは行政が主体となって、まずはサギたちの安住の場所を確保してやることです。次にその確保した場所にサギをデコイ等で誘導しつつ、従来のコロニーとなっている林を伐採もしくは営巣しないような手段を施すことです。具体的な事例を説明すると、1999年、アメリカのカリフォルニアでは軍港の再開発のためにそれまでそこに営巣していたゴイサギのコロニー移動のため、営巣林を木ごと根から掘り起こして2km離れた場所に移設しました。移設後はデコイによる誘導を試みてそれは見事に成功、翌年には無事ゴイサギのヒナが多数誕生しました。この成功例からわかるように行政が主導してあらかじめ新たな営巣地を確保しそこにサギを誘導するようにすれば人とサギとの共存の可能性はかなり高まります。

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