調査の概要を説明します
いつ頃からは正確には不明ですが、愛知県名古屋市の西端から三重県津市に至る高速道路「東名阪自動車道」の蟹江インターチェンジ、弥富インターチェンジ敷地内の樹林地でサギ6種類(アオサギ、ダイサギ、チュウサギ、コサギ、アマサギ、ゴイサギ)が集団繁殖地を形成するようになりました。高速道路の管理会社であるNEXCO中日本は樹林地を管理してきましたが、2010年8月、弥富野鳥園、それに日本野鳥の会愛知県支部とでサギの生息環境を保全するための覚書を取り交わしました。翌2011年より、日本野鳥の会愛知県支部の役員、会員が集まってコロニーを形成するサギの総数をカウントすることになり現在に至っています。
人と野鳥の共存。これは難しい課題ですが解決可能な課題でもあります。それにはまず野鳥のことを理解することが大事です。そして理解するためには実情を知ることが大切です。そのため日本野鳥の会愛知県支部ではサギコロニー調査を通じて毎年の実態を把握、NEXCO中日本にコロニー保全と人との共存のための提言を行っています。
毎年、5月、6月、7月、8月の最終土曜日に実施します。4月に事前調査を実施する年もあります。
夕方、ねぐら入りのためにコロニーに飛来してくるサギ6種類(アオサギ、ダイサギ、チュウサギ、コサギ、アマサギ、それにゴイサギ)の数を識別しながらカウントします。弥富インターチェンジ、蟹江インターチェンジ両樹林地の外側を取り囲むようにそれぞれ5ヶ所の調査ポイントがあり、各調査ポイントごとに2~3名の調査員を配置します。飛来数カウントに先立ってまずベテラン調査員1名を含む2~3名の調査員がNEXCO中日本の黄色いパトカーに乗せてもらってインターチェンジ内の樹林地に入り、営巣数、営巣地内の個体数を識別しながら数えます。次にある時間を区切りとして樹林地外の5ヶ所調査ポイントにおいて、樹林地内に飛来するサギを日没後20分までカウントします。(調査地についてはここをクリック)
愛知県支部役員、会員が主体となって毎回30名前後の方々が参加されます。大学生、高校生、小学生を含む親子での参加者もいて、和気あいあいとした雰囲気です。
カウント調査の様子
飛翔しているサギ類の識別は大変に難しいため、調査前に近くの公民館に集合してサギの識別勉強会を実施しています。飛翔するサギの動画をクイズ形式で出題しますが、かなりの難問もあるため出題者でも間違えることがあります。下記は識別勉強会資料の一部でダイサギ、チュウサギ、コサギ、アマサギの飛翔写真が掲載されています。全て調査地点付近でねぐら入り時に撮影したものです。現場では図鑑にのっているようには全く見えません。そこで夕暮れ時にとった写真や動画で識別の勉強をします。試しに下記識別資料の問題を解いてみてください。
日本野鳥の会愛知県支部に気軽に問い合わせして下さい。(連絡先は支部ホームページ参照)最初のうちはサギの識別が出来なくても記録係りとして参加していただくため大丈夫です。一般の方、小学生、中学生、高校生、大学生、年齢問わず興味のある方ならどなたでも歓迎します。参加いただくにあたってはまず日本野鳥の会愛知県支部会員になって下さい。(ただし学生の場合は非会員でも可。)会員になる際には「おおぞら会員」がお勧めです。家族で入会できる「家族会員」もあります。(詳しくは日本野鳥の会愛知県支部ウェブサイトへ)
活動報告書